2019.1.22 長野県佐久穂町
「学び舎の再生」
長野県東部、千曲川沿いにある佐久穂町は平成17年3月に佐久町と八千穂村が合併して発足した。町内に6校あった小中学校を閉校し、平成27年4月に佐久穂小学校、佐久穂中学校を開校し、統合小中学校として小中一貫教育を行なっている。この施設は、廃校となった旧佐久中央小学校に児童館、健診室、プレイルーム、カフェ等の機能を複合させて、乳幼児から高校生、子育て中の親子を対象とした「地域の子育て支援拠点施設」として計画された。
改修の基本方針は、利用者数を想定し、工事エリアを絞り込み、工事費用とランニングコストの抑制につなげる計画とした上で、40年間受け継がれてきた環境を後世につなげることにあった。そのために、再利用できるものを積極的に利用し、快適な環境を整備できるかが課題となった。
「記憶を受け継ぐ改修」
対象となった建物は南側教室北側廊下形式の北・南校舎を昇降口、渡り廊下で繋げた典型的な学校建築であり、断熱性能はなく、サッシは単板ガラスであった。まず我々は断熱性能を付加するエリアを絞り、機能を向上させた。その上で、40年間受け継がれた記憶を探求し編集した。結果として、当時使用していた本棚や下駄箱の保存状態が良く、それらを補修し新たに空間の間仕切りや本棚として再利用した。
また、こどもの利用だけでなく、子育て中のお母さんのための環境作りを徹底した。授乳、オムツ替えの設備といった基本的な機能の他に、子育て中のお母さん同士が腰を掛け、互いに相談できる場所を目指した。
「改修を終えて」
利用者の意見を積極的に取り入れるため、子育て中の親子を対象としたワークショップを開催したり、町の担当者の方々と検討を重ねた。結果、健診日ではないのにも関わらず、1日平均10組の親子が施設を利用し、町外からの利用者もいる。今回の改修により、中庭を子供たちのプレイグラウンドとする計画が立案され、本年度の着工予定である。こうした一連の動きから、この施設が地域の子育て支援拠点として愛される可能性を感じている。 この記事にコメントする
長野県東部、千曲川沿いにある佐久穂町は平成17年3月に佐久町と八千穂村が合併して発足した。町内に6校あった小中学校を閉校し、平成27年4月に佐久穂小学校、佐久穂中学校を開校し、統合小中学校として小中一貫教育を行なっている。この施設は、廃校となった旧佐久中央小学校に児童館、健診室、プレイルーム、カフェ等の機能を複合させて、乳幼児から高校生、子育て中の親子を対象とした「地域の子育て支援拠点施設」として計画された。
改修の基本方針は、利用者数を想定し、工事エリアを絞り込み、工事費用とランニングコストの抑制につなげる計画とした上で、40年間受け継がれてきた環境を後世につなげることにあった。そのために、再利用できるものを積極的に利用し、快適な環境を整備できるかが課題となった。
「記憶を受け継ぐ改修」
対象となった建物は南側教室北側廊下形式の北・南校舎を昇降口、渡り廊下で繋げた典型的な学校建築であり、断熱性能はなく、サッシは単板ガラスであった。まず我々は断熱性能を付加するエリアを絞り、機能を向上させた。その上で、40年間受け継がれた記憶を探求し編集した。結果として、当時使用していた本棚や下駄箱の保存状態が良く、それらを補修し新たに空間の間仕切りや本棚として再利用した。
また、こどもの利用だけでなく、子育て中のお母さんのための環境作りを徹底した。授乳、オムツ替えの設備といった基本的な機能の他に、子育て中のお母さん同士が腰を掛け、互いに相談できる場所を目指した。
「改修を終えて」
利用者の意見を積極的に取り入れるため、子育て中の親子を対象としたワークショップを開催したり、町の担当者の方々と検討を重ねた。結果、健診日ではないのにも関わらず、1日平均10組の親子が施設を利用し、町外からの利用者もいる。今回の改修により、中庭を子供たちのプレイグラウンドとする計画が立案され、本年度の着工予定である。こうした一連の動きから、この施設が地域の子育て支援拠点として愛される可能性を感じている。 この記事にコメントする
設計・監理
川辺直哉建築設計事務所
担当/石川誠大
担当/石川誠大
用途
子育て支援施設
敷地面積
15285.00㎡
建築面積
1210.99㎡
延床面積
2228.28㎡(既存建物)
1210.99㎡(改修部分)
1210.99㎡(改修部分)
構造
鉄筋コンクリート造
規模
地上2階建
工期
2017年9月-2018年3月
施工
畑八開発株式会社
有限会社小沢電業社
嶋屋住設株式会社
有限会社小沢電業社
嶋屋住設株式会社
家具
(有)家工房橘陽