2020.7.14 神奈川県鎌倉市長谷
大きな軒を介して繋がる二世帯住宅
この住宅は、両親の住まいとなる「母屋」と子世帯のための「ハナレ」で構成され、大きな軒下で両世帯の家族が共に暮らしている。
もともとは大きな屋敷の敷地が土地の分譲により細分化された土地で、隣接してアパートや3階建て住宅が建ち始めていた。周囲の比較的大きな敷地のおおらかさとは異なり、新たに分譲された住宅地特有の窮屈さを感じ、おのずと建築と鎌倉特有の外部環境をどのように関係づけるかが課題となった。
敷地は間口約7m奥行き約25mと細長い短冊状の形状をしている。2世帯住宅であるため、まず世帯間の適度な距離を保つよう2つのボリュームに切り離した。その間には大きめのバッファースペースを配置し、敷地の短手方向にずらすことでそれぞれの独立性を高めている。南北の隣接敷地は3階建ての建築によるプライバシーへの影響や圧迫感が予想されたこともあり、室内から外部への繋がりはボリュームの南北のずれにより生じる緩衝空間の関係性と合わせ敷地の東西長手方向に期待することにした。
敷地の変遷により、平面計画だけでは解決できなくなった課題を、建築面積を小さくして断面方向に展開した部屋構成とし、一見不釣り合いな大きな屋根をかけることによって、鎌倉という場所に留まるための、生活空間と周辺環境との関わりをつくることができたのではないだろうか。 この記事にコメントする
この住宅は、両親の住まいとなる「母屋」と子世帯のための「ハナレ」で構成され、大きな軒下で両世帯の家族が共に暮らしている。
もともとは大きな屋敷の敷地が土地の分譲により細分化された土地で、隣接してアパートや3階建て住宅が建ち始めていた。周囲の比較的大きな敷地のおおらかさとは異なり、新たに分譲された住宅地特有の窮屈さを感じ、おのずと建築と鎌倉特有の外部環境をどのように関係づけるかが課題となった。
敷地は間口約7m奥行き約25mと細長い短冊状の形状をしている。2世帯住宅であるため、まず世帯間の適度な距離を保つよう2つのボリュームに切り離した。その間には大きめのバッファースペースを配置し、敷地の短手方向にずらすことでそれぞれの独立性を高めている。南北の隣接敷地は3階建ての建築によるプライバシーへの影響や圧迫感が予想されたこともあり、室内から外部への繋がりはボリュームの南北のずれにより生じる緩衝空間の関係性と合わせ敷地の東西長手方向に期待することにした。
敷地の変遷により、平面計画だけでは解決できなくなった課題を、建築面積を小さくして断面方向に展開した部屋構成とし、一見不釣り合いな大きな屋根をかけることによって、鎌倉という場所に留まるための、生活空間と周辺環境との関わりをつくることができたのではないだろうか。 この記事にコメントする
設計・監理
川辺直哉建築設計事務所/川辺直哉、李圭範
構造設計
多田脩二鉱造設計事務所/多田脩二、川本泰斗
用途
二世帯住宅
敷地面積
184.13㎡
建築面積
81.02㎡(建蔽率44.00% 許容60%)
延床面積
延床面積 183.93㎡(容積率99.89% 許容150%)
1階 71.75㎡
2階 70.16㎡
3階 42.02㎡
1階 71.75㎡
2階 70.16㎡
3階 42.02㎡
構造
木造在来工法
規模
地上3階
工期
設計期間:2017年10月〜2018年5月
工事期間:2018年6月〜2018年12月
工事期間:2018年6月〜2018年12月
施工
新都市建設 担当/小林千
植栽計画
TAKA GREEN FIELD 担当/深町康志
受賞
財団法人日本産業デザイン振興会「グッドデザイン賞」(2019年)
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